【TFT】パッチ10.13のメタ振り返りと、10.14の注目ポイント

こんにちは。Best 佐藤 JPです。

公式大会、Mind Masters TFT部門の解説を務めております。

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違和感

ランクは、Set1~3でチャレンジャー、今は20位くらいです。

 

今回は、10.13の2週間でどのようなメタの変遷があったのか(そして10.14はどのようなメタになりそうか)に注目した記事になっています。

メタゲームに興味のある方や、TFTをより深いところでプレイ/観戦したい方へ読んでいただければと思います。

大事な部分は太字赤字にしているので、そこだけでも流し読みしていって下さい!

 

目次:

 

 

まずは、10.13の前提知識として、10.12のおさらいから・・・

 

10.12のおさらい

10.12では、S~ATierの構成はサイバネティック6、ブローラーブラスター、ソーサラーヴァンガードミスティック、そして日本ではメカジンクスも評価が高かったです。ややオフメタな構成として、ブレードマスター6構成や、ザヤのハイパーロール構成、アストロスナイパーなどがありました。

Set3のアップデートが入って最初のパッチということで模索中のプレイヤーが多い中、構成の使用感に大きな変化のなかったサイバネやブラスターは手堅く人気なシナジーでした。

 

10.13-初期

10.13のパッチでの変更は大まかに言って

1.バトルキャストのバフ

2.ダークスターのバフ

3.バイナリースターの登場(とミディアムレジェンドの削除)

4.ほとんどすべてのBTier以上の構成のナーフ

の4つとなっています。

チームファイト タクティクス パッチノート10.13

 

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10.13パッチハイライト

まず、バトルキャストに関して。初日の環境は、10.12とは大きくは変わらなかったものの、バフされたバトルキャストを試すプレイヤーが多かった印象があります。バトルキャストと相性の良いスタティックシヴと、コグマウを含む低コストバトルキャストがバフされ、使い勝手が大幅に改善されました。バトルキャストは2~4で止めるべきなのか、6まで行くべきなのかというところは意見の分かれるところでしたね。

現在では、バトルキャスト6にはバフが入ったものの、終盤に6シナジーを出し続けるのはハイパーロール構成に限ることが多いです。

バトルキャストのユニットは安いものが多いですし、防御的なシナジーもミスティック2やブローラー2くらいしか出せないため、どうしても多くのユニットを☆3にする必要があります。☆3を目指すリスクとリターンが見合っていないというところで通常のギャラクシーではなく、トレードセクターで使うのが一般的です。

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バトルキャスト6 1~2コストを☆3にする



ダークスターシナジーのみのバフでした。セット3の頃ダークスターは超OPシナジーになった過去がありますし、生き残ったユニットが1v9出来てしまい得る仕様上、慎重に調整が行われたことが伺えます。大方の予想通り、ダークスターへのバフの影響は小さく、ほとんどの状況でダークスター4~6が使われることはありませんでした

 

新ギャラクシーであるバイナリースターは、各ユニットが持てるアイテムの数が2つに制限されるというものです。このギャラクシーでは、他のギャラクシーに比べて、サイバネティックとヴァンガードミスティックの評価が高いと考えています。

サイバネティック構成は、2~3体のキャリーにアイテムを集めるのではなく、アイテムを分散させることを前提としたシナジーですから、当然このギャラクシーとも相性が良いわけです。ヴェインは3アイテムあれば強いキャリーではあるものの、防具が要らない関係上、2アイテムでも使いやすいユニットになっています。

ヴァンガードミスティックは、カシオペアはブルーバフ+APアイテムがあれば十分仕事が出来ますし、セカンドキャリーのジェイスに関しても3アイテムが必須というわけではありません。余ったアイテムをルルやスレッシュ、(ミスティックを2に落とす場合はアーゴットやソル)に付けられることも考えると、やはりバイナリースターの影響は他の構成に比べると小さくなっています。

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バイナリースターのヴァンミス

カシオペアの自衛性能が不安なら、解体してソルやアーゴットのアイテムにしてもOK

 

さて、10.13では多くのユニットがナーフされました。ナーフ内容をすべて書くとなると長くなってしまうので結果から言いますと、今回のナーフの影響が一番大きかったのはヴァンガードミスティック構成でした。キーチャンピオンであるカシオペアとジェイスのナーフだけでなく、中盤に取った有利を押し込むために必須であったスレッシュが大きくナーフされました。結果、ヴァンガードミスティックは、強い時間帯である中盤・最終盤の両方をナーフされ、使い所がかなり選ばれるシナジーとなりました。

ヴァンガード構成が弱体化された影響で、相対的に強化されたのがサイバネティックとジンクスです。この2つの構成に対しては、一般的にはヴァンガード側が有利と言われています。どちらも、メインキャリーであるヴェインやジンクスがタンクを倒すことが出来ず、思うようにダメージを出しきれないためです。どちらも終盤にスケールする構成なので、ヴェインの3アイテムやスレッシュから引っ張るアーゴット、ジンクスやオレリオンソル☆2の完成によって相性は改善しますが、中盤にはユニットを1体も倒せずに15点近くのダメージを受けてしまうことも多く、サイバネ・ジンクス側の順位が安定しない原因となっていました。

そのヴァンガードミスティック構成が弱体化されたことにより、サイバネティックと、ジンクスの絡む構成は一気にTopTierに踊り出ました。特にサイバネティックに関しては、新チャンピオンであったヴェインキャリーの研究が進み、10.12の後半頃からかなり強力な構成として猛威を奮っていましたので、4~5コストが必要な構成にも関わらず8人中4人がサイバネティックに向かうようなこともよく見られました。

 

 

10.13-中期

 10.13中期の最も大きかったメタの変化は、ソーサラーの台頭です。

一番大きな理由としては、NAのトッププレイヤーであるk3sojuがTierリストを公開したところが大きいと思われます。

k3sojuのTierリスト

多くの人がATier前後の構成と考えていたソーサラーをS+と評価したTierリストはセンセーショナルなものでした。

個人的には、ソーサラーはSTierはあっても、当時サイバネティックやジンクスよりも上に置くのは考えづらく、soju本人もそこまでソーサラーで連戦連勝という風でもなかったので、sojuのいっときの気の迷いか、トーナメントに向けての情報操作のようなものなのだったのではないかと考えたりもしています。

この影響もあってかソーサラー構成の研究は進み、フォーカスを分散するためにジーロットポータルをもたせたアニーを前衛に置く形や、ゾーイを前衛に置いて早めにスキルを打って退場してもらう配置など、研究が進みました。

現在のこの構成の評価としては、ビクターがスターガーディアンのお守りを持ちスターガーディアン6を出せる場合はSTier、そうでない場合はATier前後の構成と思われます。

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sojuのTierリストよりソーサラー ちゃっかりスタガビクター

 

10.13-後期

10.13後期において、大きなメタの変化はなく、むしろ最適化されていった結果パワーの低い構成は淘汰されてゆき、サイバネとジンクス(ブローラーor流れ者)が一番人気、次点でソーサラーというメタになってしまいました。

 

そんな環境の中で先日行われたMind Masters一般予選大会でしたが、注目すべきはメカの復権でしょう。

この大会は、最初の3試合については上位4人に入れるかどうかのみで次の試合に進めるかが決まります。1位で抜けようが4位で抜けようが関係がないので、ランク戦とは全く違うメタが見られました。レイトゲームでスケールしやすいサイバネティック構成は、その中盤の不安定さからか使うプレイヤーが大きく減り、アイテムの受けが広くTop4率の高いブローラージンクスと、フィズさえ早期に引ければ安定して上位に食い込みやすいメカの絡む構成人気を集めました。

今回のルールに関わらず、非リーグ戦の大会では運要素を嫌ってか、普段のランク戦に比べてもリスクを取らず中盤にパワースパイクを持った構成が選ばれやすい傾向にあります。

 

特にメカジンクス構成は、メカ3体・流れ者3体をまとめて動かす関係上、配置でのミスも生まれにくく、一発勝負でどうしても緊張してしまう大会でも選びやすい構成となっていました。大会と普段のランク戦とでの、ルールや緊張感の違いがメタの変化を生んだ、面白い例だと思います。

 

また、主にランク戦において、ジャーヴァン4のハイパーロール構成も台頭してきました。

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J4のワーモグは1つでいいです

1コストのチャンピオンの☆3、特にワーモグとブランブルベストを持ったJ4を早期に作ることが出来れば、それだけで中盤連勝することが出来ます。レベル9でジャンナを綺麗に入れられるだけでなく、シナジーを崩してしまうことにはなりますが、ソーサラー枠をゼラス、ミスティック枠をルルにするなど5コストチャンピオンの受けが非常に広く、トレードセクターやニーコバースにおいて強力な構成になっています。

10.14でJ4・ラカンがバフされることもあり、注目の構成ですね。

 

 

最後に、10.14の注目ポイントを簡単にまとめたいと思います。 

 

10.14の注目ポイント

1.ダークスター・セレスティアル系の大幅なバフとアーゴットの変更

2.サイバネティック・ジンクス+オレリオンソルのナーフ

3.スターガーディアンの変更とリヴェンのナーフ

 

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10.14パッチプレビュー

一番の目玉は、ダークスターやセレスティアルのチャンピオンが大幅にバフされることです。これにより、J4やザヤの絡むハイパーロール構成や、ダークスター4~6構成がメタに復権してくる可能性があります。アーゴットは性能をプロテクターに寄せた調整になっているので、セレスティアルプロテクターのユニットと含めてタンク気味に使われてゆく未来もあるかもしれません。

10.13で暴れたサイバネティックやジンクスブラスター構成にはナーフが入る予定ですが、イレリアやジンクスのスキルはダークスターに有利を取りやすいので、メタにどのように作用してくるのかが注目になりそうです。

スターガーディアンの変更とリヴェンのナーフは、ソーサラーの形に大きく変化を及ぼしそうです。これまで一般的でなかったヴァンガードソーサラーなども台頭してくる可能性があります。

 

終わりに

 最後までご覧いただきありがとうございます。この記事がレート等に直結することはあまりないかもしれませんが、TFTをプレイ/観戦する際のスパイスとなれば幸いです!

 

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